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コロナ後の世界①巨額の財政支出がもたらす副作用が大きい国はどこ?

コロナは世界各国の社会や経済を文字通り一変させています。

各国はワクチン開発を加速させ、1日も早いコロナからの脱却を目指しています。

ただ、問題はコロナが仮に終息したとしても、コロナ前の世界には必ずしも戻らないことです。

なぜならコロナが地震のような短期間ではなく長期にわたって影響していることにより、コロナで失われたものが後々にも副作用として影響してくるためです。

さらに大きいのはコロナによって人々の「常識」が変わることです。

わかりやすいのは、コロナによって「接触の距離」を置く生活に変わり、買い物は、「お店で買う」から「ネットで買う」割合が明らかに増えました。

コロナが終息しても恐らくこの流れは変わらないでしょう。

こうしたコロナの副作用や常識の変化は至る所で発生するとみています。その一つが財政政策の副作用です。

目次

巨額の財政支援は正かったが、副作用は必ず生じる

コロナウィルスは人々の動きをおさえ、経済活動の停滞につながっています。

各国政府は消費者や企業の支援のため、現金給付や休業補償などを積極的にとりみました。

これ自体は悪いことではありません。

むしろ「より壊滅的な打撃」を防ぐためには必要な手段だったと思います。

ただ、コロナ後の巨額の財政支出は、その後の重しになることは間違いありません。

具体的にはどういう懸念があるでしょうか?短期的な懸念と中期的な懸念があると思います。

①短期的な懸念として、資金流出がすすみそうな国は?

1つ目は短期的な要素で、財政の持続性への懸念から、一部の国で海外に資金が流出してしまうリスクです。

こうしたリスクは基本的に国内で資金調達している日本をはじめとする先進国ではなく、新興国です。

新興国の中でも特に危ない国というのはあるのでしょうか?

IMFは今回のコロナで各国が財政をどれぐらい出したかの国際比較をしています(リンク先はコチラ)。

それによれば、日米独などの先進国がgdp比で見た比率が高いです。

が、新興国でも高い国があり、ブラジルや南アフリカなどが相対的に大規模な財政支出をしています。

そうした国では資金流出によるハイパーインフレに要注意かと思われます。

特に外貨準備の余裕がない南アフリカなどは要注意ですね。

②中期的な成長率低下リスクがある国は?日本への影響をどうみるか?

もう一つのリスクは財政出動を大規模に実施した結果、コロナ後に緊縮財政をせざるを得ない国です。

そして緊縮財政によって成長率が長期に下押しされる懸念があるのはどこでしょうか?

シンプルに考えれば、財政支出を大規模にやった国ほど反動が出る形になります。

その点では日米独の比率が相対的に高く、米国が最も大きいということになります。

米国は大統領選も控える中で現金給付や失業給付第2段も実施する予定ですから、反動はさらに大きくなる懸念があります。

米国はコロナの経済的な底割れを防いだとしても、しばらく副作用が続く可能性がありそうですね。。

米国経済が停滞した場合、日本への影響として警戒すべきは、輸出企業の下押しなどに加えて、実は円高リスクです。

株価への影響も気になります。米株はもしかしたら長期停滞した場合に期待低下で結構下がるリスクがあります。さらに円高が追い討ちをかけると、日本株はさらに厳しいかもしれません。

この辺りは注視して見ていく必要がありそうです。

さらに米中摩擦が激化する懸念もあるので、その点もコロナ後の世界では注視する必要がありますね。

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