まとめ(ざっくりいうと・・)
- FOMCは4つの材料をチェック
- 注目材料①声明文(2日目14時頃):前回からの文章の変化をチェック!
- 注目材料②記者会見(2日目14:30頃):FRB議長の記者会見で、新情報が出る可能性
- 注目材料③ドットチャート(年4回):FOMCメンバーによる政策金利の見通しに注目しよう
- 注目材料④議事要旨(約3週間後):声明文には出てこなかった議論の中身をチェックしよう
目次
FOMCでは4つの材料をチェック
FOMC(Federal Open Market Committee, 連邦公開市場委員会)はFRBが開いている会合で、その会合で金融政策が決定されています。
(そもそもFRBやFOMCって何?という方は、【初心者向け】FRBとは?FOMCとは?テーパリングやQTとは?をご覧ください)
FOMCは年8回、それぞれ2日間にわたり開催されます。
ちなみに2022年ですと、1月25~26日、3月15~16日、5月3~4日、6月14~15日、7月26~27日、9月20~21日、11月1~2日、12月3~14日です。
FRBがホームページでスケジュールを公開しています(スケジュールはコチラ)
FOMCに関して市場関係者が知ることのできる情報は、①声明文、②記者会見、注目材料③ドットチャート、④議事要旨、の4つです。
タイミングや見るべきポイントについて、順番に見ていきましょう。
注目点①声明文(2日目14時頃):前回からの文章の変化をチェック
FOMCで最初に出てくる情報は、「声明文」です。
会議は毎回2日間にわたり行われますが、会議後(2日目)の14時頃に公表されます。
(日本時間だと朝の4時、サマータイムでは朝3時です)
声明文はFRBのホームページからだれでもみれます。例えば2022年1月のFOMCの声明文はコチラです。
安心してください。
日本語版はロイターなどがその後にニュースで出してくれています(2022年1月の場合はコチラ)。
チェックの基本は、その前の会合から、どのように声明文が変わったか、です。
特に後半が大事です(3行目以降)。3行目と4行目の文章をちょっと見てみましょう(赤字が変更点)。
2022年1月のFOMC声明文
(1,2行目は割愛)委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す。これらの目標を支援するため、委員会はフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを0─0.25%に維持することを決定した。インフレ率が2%を大きく上回り、労働市場が堅調であることから、委員会はFF金利の目標誘導レンジの引き上げが間もなく適切になると予想する。
委員会は純資産購入のペースを引き続き毎月縮小し、3月初旬に終了することに決めた。2月から、委員会は米国債の保有を少なくとも月200億ドル、およびエージェンシーローン担保証券の保有を少なくとも月100億ドル増やす。連邦準備制度の継続的な証券の購入と保有は、円滑な市場機能と緩和的な金融状況を引き続き促進し、それによって家計や企業への信用の流れを支援する。
前回(2021年12月)のFOMC声明文
(1,2行目は割愛)委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す。これらの目標を支援するため、委員会はフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを0─0.25%に維持することを決定した。インフレ率がしばらくの間、2%を超えているため、委員会は労働市場の状況が委員会の最大雇用の評価に一致する水準に達するまで、この目標誘導レンジを維持することが適切と予想する。
2022年1月は3行目の文章(青字の所)の表現が変わってますね!
前回(2021年12月)は「この目標誘導レンジの維持することが適切」だったのが、今回(2022年1月)は「目標誘導レンジの引き上げが間もなく適切になる」に変わりました。
利上げを今回会合でないけど、間もなく(≒3月会合)でしますよー、というアナウンスですね。
コチラは市場は予想通りでした。
さらに今回は1行増えました!
「資産購入のペースを引き続き毎月縮小し、3月初旬に終了することを決めた」がメッセージです。
テーパリングを3月初旬終了、というのも、市場の事前予想通りでした。
ということで、2022年1月の声明文は、大きく変わったものの、サプライズはなし(≒株価を大きく動かす材料にはならず)でした。
ただ、思いもよらない変化があると、市場は動きます。
注目点②記者会見(2日目14:30頃):FRB議長の発言で新情報が出る可能性(特に記者の質問への回答)
次の注目ポイントは、FRB議長の記者会見です。
声明文が出てから大体30分ぐらいした後で開催されます。
こちらもFRBのホームページでライブ中継されています(日本の朝ですが・・)。
会合では、FRB議長から、経済・物価動向やそれを受けた決定会合の内容の説明があります。
その後に記者からの質問に答える場がセットされてます。
説明の方は無難な話に終始することが多いんですが、記者からの質問への反応が結構大事です。
私はLIVEでチェックするときはTwitterで反応をみています。
注目点③ドットチャート(年4回):FOMCメンバーの政策金利見通しをチェック
年に4回(3月、6月、9月、12月)は声明文とは別に、FOMCメンバーの経済見通しが公表されます。
経済見通しもFRBのホームページでご覧いただけます(2021年12月の経済見通しはコチラ)
中でも注目なのが、ドットチャートです。
FRB各メンバーが今後政策金利がどうなっているかをドットを使ったグラフで示すため、ドットチャートといわれています。
興味ある方はコチラの4ページ目を見てみてください!
事前に言われている市場予想よりも高いのか、前回と比べてどうか、という視点でご覧ください。
注目点④議事要旨(3週間後):声明文には出てこなかった議論の中身をチェックしよう
FOMCの会合で議論した内容は、後日(大体3週間後)、議事要旨として公表されます。
議事要旨はスケジュールで、該当のFOMCのMinutesと書いてあるところから読めます(スケジュールはコチラ)。
声明文にはない情報が入っていることがあるので、市場も注目しています。
ただボリュームが多いので、FEDウォッチャーと呼ばれるプロの方の意見を聞くのが早いかもしれません。
その後のニュースなどで情報が取れます。また
いかがでしたでしょうか。
FOMCでの内容は、株式、金利、為替に大きな影響を与える可能性があります。
米国株や米国金利が上下するときは、その影響を日本株、日本金利も大きく影響を受けます。
為替相場もドルが高くなるということは、相対的に円が安くなるわけです。
そのため、「日本株」だけ運用している人も、FOMCをチェックすることをおススメします。
チェックポイントは上のとおりですが、現在はいろんな方が発信しています。
ニュースでプロのコメントを聞くのもありですし、個人的に速報性ではTwitterがおススメです。
いろんな識者の方が発信してくれていますので、検索してチェックしましょう。
投資は自己責任で! ではでは