経営のヒント

経営判断のための軸を持とう~経営学に学ぶヒント~

日本には400万社強の企業があります。その企業1社1社がそれぞれの従業員を抱え、お客さんに商品やサービスを提供しています。まさに経営をしているわけです。では経営がうまくいっているか、そうでないかというと、それは企業それぞれによって当然差があります。

うまくいっている経営とそうでない経営はどこに違いがあるか?というのが経営者の関心になり、その違いは経営戦略の違いといういうことでよく説明されています。成功した優良企業の経営戦略そのものもにももちろん学びはあるのですが、より重要なのは様々な優良企業に共通する特性は何かということです。その過去の様々な企業経営の本質的な特性を研究し、実証してきたのが経営学になります。

ただ実際に経営学で培われた知見を、400万社強ある経営者が本当に活用できているかというとそうではありません。「経営学なんて実務には使えない」「成功している経営者の自伝を読んだ方が100倍まし」と思われている経営者の方がもしかしたら多いかもしれません。

私自身も以前は「経営者の自伝」を数多く読み、経営分析や戦略提言の現場で利用してきました。またMBAなどでよく使われる「フレームワーク」(たとえばSWOT分析、ファイブ・フォースなど)を使って、提言をすることもありました。

ただ現場で様々な経営者と議論している中で気が付いたのは、「経営者の自伝」は非常に学びは多いのですが、その取組・知恵をそのまま真似るだけではあまりうまくいかないということです。なぜなら企業それぞれに強み・弱みがあり、その取組にはもともと持っていた強みを生かしているからです。

MBAなどで出てくる「フレームワーク」はそれを標準化したもので、その観点では応用が効きやすい面があります。ただ「フレームワーク」というのはそれが生まれた背景をよく知ったうえで使わないと、魂のない抜け殻のようになってしまう面が多々あります

実はこの「フレームワーク」は経営学の中での様々な研究結果を実務で使いやすくしたものです。なので、本当に経営の役に立てようとする場合は、「フレームワーク」の背景にある成功する軸となるものを知ることが極めて重要です。

特にこれからの時代(すでにその時代に入っていますが)は、外部環境が大きく変わり、「これを真似すれば正解」というものがなくなってきます。まさに正解のない時代です。そうしたなかで経営していくためには、成功する企業の取組や戦略そのものではなく、その取組・戦略の背景となる要因(軸)をしっかり学び、それを活用していく非常に重要です。

戦略の軸となる代表的なアプローチをいくつか載せています。ぜひ関心のあるテーマを見ていただけると嬉しいです。

ファイブ・フォースを有効活用するには?

https://hintoflife111.com/2020/04/13/post-134/

ポーターの経営戦略の効用と限界~SCP理論~

https://hintoflife111.com/2020/04/14/post-140/

リソースの組み合わせで企業の差別化を図る~RBV理論~

https://hintoflife111.com/2020/04/14/post-142/

産業・企業グループで異なる3つの競争の型を知り、戦略を練ろう

https://hintoflife111.com/2020/04/15/post-156/

レモンの原理とスクリーニング・シグナリング:情報の非対称性をなくすことがビジネスチャンスに

https://hintoflife111.com/2020/04/15/post-158/

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